道のありがたみを知っている者は、道のないところを歩いた者だけだ。
大正時代の登山家でクワンナイ川を大正9年に遡行した大島亮吉の言葉だ。
北海道でも人気の高いこの沢にこの名言が当てはまるとは言えないが、そんなロマンを思い出して久しぶりにクワンナイ川に足を踏み入れてみた。
2016年以降、何度かの大雨で沢の様子は変わっていたが出会う人もいなく
静かな沢旅を満喫して楽しむことができた。
札幌を出発した日は沢を5時間ほど歩いて、カウン沢二股の少し下の段丘の上にテントを張った。
2日目、魚留の滝を超えるとすぐにナメの廊下「滝の瀬13丁」の始まりだ。
グリーンのビロード絨毯のようなふわふわの苔の上を1.5㎞も歩ける。
オーバーハングの滝、二股の滝を超えると難所は終わり後は川の流れも小さくなってくる。
滝も終わりかな?と思った所に最後にあらわれるのがソーメン滝だ。
この滝は裏側を横断できる。
源頭部にはまだ大きな雪渓が残っていてあたりは高山植物の楽園。
幸い熊の気配もまったくない。
3日目は化雲岳を超えて天人峡へひたすら下山。