世間をコロナが圧巻し「東京オリンピックやるかやらないか」の瀬戸際だった4月に
知り合いのNHKのディレクターから1本の電話があり「にっぽん百名山 大雪山」ロケをやるかもしれないので7月の上旬を空けておいてくれないか!と。
えっ、やらないかもしれないの?
しかも2週間のロケに撮影サポートスタッフを5人キープしてほしいと。
まあ、なんと都合の良い相談なんでしょう。
その後、5月になって全国に緊急事態宣言発令!
国民は不要不急の外出は控えるようにとのお達しだ。
知り合いガイドたちに声をかけるとコロナで失業状態だった連中は14日間賃金補償のおいしい話にすぐに乗って来た。
6月上旬にディレクターがロケハンにやって来ることになった。
本番と同じルートの層雲峡から入山して白雲岳避難小屋に1泊して旭岳まで2人で縦走することになったのだ。
旭岳温泉で合流した我々は車を1台デポしてそのまま層雲峡へ向かった。
6月上旬の大雪山はほとんど残雪に覆われて真っ白け。
ルートを歩きながら本番を想定して場所ごとにコメントや撮影のイメージを組み立てて行く。ほとんど登山者のいない大雪山を歩くのは気分が良かった。
白雲岳避難小屋に着いてみるとキャンプ指定地は全て残雪に埋め尽くされている。
ロケ予定の7月まで地面が現れるかも怪しい感じだ。
ロケの中で1アクセントとして「ガイドのとっておきコーナー」というのがあるらしく、過去に出演したガイドたちはアイデア道具の紹介やクイッククッキングなどを紹介しているのでなんかできないかという事になり「残雪の上でのテントの張り方」で行こうという事になった。
ロケハン2日目も快晴!
「なんかここで天気の運を使い切ったんじゃないでしょうかね~」と冗談を言い合いながら無事に旭岳温泉に下山。その後、車を回収しに層雲峡に戻り撮影期間中にベースとして使わせてもらう予定の旅館を訪ね、無理な注文を聞いてくれるよう頼んでみる。2週間部屋をキープして不要な荷物をデポ、撮影期間中の天候次第で下山してくるのでスタッフ9人の宿泊対応してほしいと。宿のおやじはWINウィンな折中案で引き受けてくれた。またロケハン終了をもって本社の担当チーフからもようやく本番のゴーサインが出てサポートガイドたちに決定連絡をすることができた。
2週間の入山中はスタッフ9人全員がテント泊でその献立と行動食も含め126人食を用意しなければならない。そこらへんは過去に数々の海外遠征で食料準備に慣れているので心配はいらなかったのだが総重量が撮影機材も含めると400㎏。
本当に担ぎ上げれるの?4Kカメラやドローン、金属製の三脚など担ぎづらく取り扱い注意の物ばかりだ。撮影期間中はバッテリーの充電のため層雲峡の宿に下山して
充電完了後に食料補給で新たな食材を担ぎ上げる作戦だったのだ。
天気が崩れるようなら撮影はできないので全員で下山。
これがうまい具合に2~3日おきに悪天候がやってくるので撮影ははかどらないが補給作戦は功を奏した。停滞日もあったので録画してあった「ドラゴン桜」も見ることができたし。
なんとか無事撮影も終え、オンエア後は「ずっと天気良かったんですね」と電話をたくさんいただきましたがそうではない。編集の力です。
そういえば、撮影期間中に旭川市内にスタッフ全員で出る日があったのだが旭川ラーメンの人気店に行こうという話になりどこに行くかでたまたま旭川出身者が2名いて意見が分かれたため全員で両方の店をはしごしようという事になった。
それがちょうど土曜日だったのでどちらの店も外まで並ぶらしい。
という事で層雲峡の旅館で朝食を8時に食べ、まっすぐ「生姜ラーメンみづの」へ直行。午前10:30の開店と同時に入店して1食め。生姜の効いたあっさり味。2件めの蜂屋へ行く前に東神楽で知り合いが来シーズンのスキーの展示会をやっているので、そちらを冷やかしてから蜂屋へ入ったのが12:30。こちらでは焦がし醤油ラーメンをスープまで完食。
いい年して昼にラーメン2杯も食べるなんて自分でびっくり。
味の評価は4:5に分かれて蜂屋に軍配。
百名山の方はそのうち再放送されると思うので見逃した方はそちらをご覧ください。