長い冬の明けた北海道の山ではアポイ岳の高山植物が開花する5月から夏山登山シーズンがスタートする。
人気の山だけにもう、この山に通って40年が過ぎた。
その昔はヒダカソウはほぼ毎回見る事ができた。特に幌満お花畑には20株以上、冬島コースの9合目付近や吉田山あたりで咲いていたのだが。今はない。
鹿による食害もかなりあるのだが。
これは私が35年くらい前に撮影したヒダカソウ。
アポイ岳で大規模なヒダカソウが盗掘されたのは1980年代の後半、幌満お花畑で根こそぎ盗掘されてしまった。ところがなんとその現場に盗掘の様子を撮影した犯人たちのビデオカメラが置き忘れられていたのだ。
そこから足が付き、御用となったのは北海道M市に在住の主婦グループ。
寛容だった当時の役所は現地に埋め戻す事で罪には問わなかったのだ。
今ではあり得ない寛大な処置ではあったが、埋め戻されたヒダカソウが再び、根付くことはなかった。
その翌年、幌満お花畑にはNTTが無人監視カメラを設置(今はない)
冬島コースにはあちこちに地元小学生たちの「花を盗むな!」的な標語の看板が下げられた。
かくして子供たちには登山者性悪説が植えつけられる事になる。
現在、冬島コース5合目から上部は登山道両脇にコース外はみ出し禁止のロープが両サイドに張られているが当時はほぼ皆無。現在の7合目付近の柵もなかったのだが…。
なんと情けない。海外のハイキングコースをあちこち歩いたが、たぶんロープが張られている山は日本だけだったな。
自然保護の意識が海外に比べ高い日本、そして日本は小さな島国であり高山帯は狭い。
そして登山者にも花愛するが故の花泥棒は少なからずいる。
アポイタチツボスミレ
アポイの名を関する高山植物は多い。
サマニユキワリはこの時期の主人公。
8合目付近には咲き乱れていました。
個人的には水割りの方が好き!
なんといました!
ヒメチャマダラセセリ。
8合目付近でアポイアズマギクの密を吸っている所を撮影成功。
しかも他にもけっこう飛んでいる。
この日、8頭は見ました。(蝶の数え方は匹ではなく、ヘッドという呼び方で頭で数える)
保護協会が麓で繁殖して山に戻し、現在は100頭ほど生息しているとの事。
お疲れ様でした。
ヒダカソウは見られなかったがミッション50%を達成し天気にも恵まれ満足度100%で下山。
それにしても登山口にあるファミリーパークキャンプ場。
ゴーカートコースとか、ここに必要か?
現在は閉鎖しているようだが、かつては山の上でもそのエンジン音がうるさかった。
ユネスコのジオパークの指定を受けると色々と使わなければならない予算が付くのかと勘ぐってしまう。
ついでに麓にある親子岩ビーチサイドキャンプ場、こちらのビーチは開設されるが危険という理由で
遊泳禁止!(私、泳いで海から上がってきたら怒られました。最近の話です。)
なんだかなぁ…。
ニッポン、チャチャチャ…
チャ・・まだら・セセリ (-_-;)